咲きほこる大輪
名古屋あさがお
 

   「あさがおに つるべとられて もらい水」

     かの有名な千代女の句ですが、名古屋には、釣瓶をとらない朝顔がある。   



 夏、まぶしい朝の日差しの下で咲き誇る朝顔。だれでも一度は育てたことがあるだろう。
 夏休みの宿題で、咲いた花のかずを毎日かぞえたり、押し花にしたり、酢をぬって色の変化を見たり、いろんな思い出が朝顔を見ると思い出される。

 路地裏で軒先まで伸びて、すだれの代わりに強い日差しをさえぎっている朝顔
 前の年にこぼれた種が芽を出し 勝手に垣根にまとわりついている朝顔

 朝顔は 庭先に咲く庶民の花だ。

名古屋朝顔  名古屋には朝顔の変わった育て方が伝えられている。

 「名古屋式盆養切り込み作り」と呼び、姿は盆栽のように小さく、花は普通の倍くらいの大きさに咲かせる方法である。
 写真のように、草丈はわずか20cmくらいで花は15cmもある。

 育て方は、最初の蔓を本葉数枚残して摘芯し、横から出てくる蔓も短い位置で摘んでこの様な姿に仕立てるのだそうだ。大輪の花が咲くように品種改良された種も売られている。


 ずいぶん変わった仕立て方である。
 明治10年頃から始まったといわれ、明治の半ばには非常な人気となり、広く普及した。

 このような上品な姿なので、庭先だけでなく床の間にも飾られる。

 花の季節になると品評会も開かれ、愛好家たちが丹誠込めて育てた鉢を持ち寄り展示される。

伊藤正博 1997/01/08

 

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